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大阪地方裁判所 昭和45年(行ウ)77号 判決

大阪市城東区白山町一丁目五八番地

原告

株式会社日本地建

代表者代表取締役

橋尾はるゑ

訴訟代理人弁護士

奥田忠策

隅田博

大阪市城東区野江東之町一丁目四八番地

被告

城東税務署長

岡田弥

指定代理人

岡崎真喜次

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

被告がいずれも昭和四三年二月二九日付で原告に対し、原告の昭和三七年一〇月一日から昭和三八年九月三〇日まで、昭和三八年一〇月一日から昭和三九年九月三〇日まで、昭和三九年一〇月一日から昭和四〇年九月三〇日まで及び昭和四〇年一〇月一日から昭和四一年九月三〇日までの各事業年度の法人税についてした更正処分及び重加算税賦課決定処分(ただし、いずれも裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

との判決。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨の判決。

第二当事者の主張

一  請求原因

(一)  課税処分の経緯等

原告会社は演芸の興行、木材の販売等を業としていたものであるが、被告に対し、昭和三七年一〇月一日から昭和三八年九月三〇日まで(以下第六事業年度という)、昭和三八年一〇月一日から昭和三九年九月三〇日まで(以下第七事業年度という)昭和三九年一〇月一日から昭和四〇年九月三〇日まで(以下第八事業年度という)及び昭和四〇年一〇月一日から昭和四一年九月三〇日まで(以下第九事業年度という)の各事業年度の法人税の確定申告(青色申告)をした。

被告は、これに対し、昭和四三年二月二九日付で原告会社の第六事業年度以降の青色申告承認処分を取り消すとともに、原告会社に対し更正処分及び重加算税賦課決定処分(以下これらを本件処分という)をした。

原告会社は本件処分に対し、異議申立て、審査請求をしたが、これについて被告は異議決定をし、訴外大阪国税局長は裁決をした。これらの年月日、内容は別表第一、第二記載のとおりである。

(二)  違法事由

本件処分には次の違法事由がある。

(1) 本件処分は原告会社の所得を過大に認定している。

(2) 本件処分のうち更正には更正の理由が附記されていない。

(三)  結論

原告会社は本件処分(ただし裁決により一部取り消された後のもの)の取消しを求める。

二  請求原因に対する認否

請求原因(一)の事実は認め、同(二)の主張は争う(ただし、本件処分のうち更正の通知書に理由附記のない事実は認める)。

三  被告の主張

(一)  原告会社の本件各係争事業年度の所得金額は別表第三の差引所得金額(番号27)記載のとおりであり、この額は、本件処分のうち更正(裁決で一部取り消された後のもの)の所得金額を上回るから、その範囲内で行われた本件処分は適法である。

(二)  別表第三の差引所得金額(番号27)は、原告会社の申告所得金額(別表第三番号16)に、右申告に含まれていなかつた同表番号17ないし22の金額を加算し、同表番号23ないし26の金額を減算して算出したものである。以下に詳述する。

(加算した額)

(1) 興業部除外収入金(番号17)

興業部に属する九条OS劇場の入場料収入金の除外額は、福徳相互銀行境川支店ほか二行の預金の入金額のうち、預金間の振替と認められる金額等を除いた金額である。その明細は別表第四の一でありその計算内容は別表第四の二ないし五である。

被告が右預金の入金額を、入場料収入金の除外によるものとした理由は次のとおりである。

(ア) 右預金の設定、解約は、橋尾はるゑ代表取締役(原処分当時会計担当取締役)が直接担当していた。

(イ) 福徳相互銀行境川支店渡辺春枝、渡辺清弘、渡辺はるゑ及び橋尾はるゑ名義日掛預金は、同銀行の集金担当者が、原告会社の九条OS劇場へ出張して集金していたものである。その状況から、集金担当者に支払つた金額は、興業部収入金と認めざるを得ないのである。

福徳相互銀行境川支店和田はるえ名義普通預金と、正規の帳簿に計上されている同行の原告会社名義の普通預金とは、両者がそれぞれ同額を同日に入金されている。また、和田はるえ名義預金の当初入金額六一万〇、六五七円は、同行の渡辺春枝名義普通預金を解約してなされたものである。

三和銀行九条支店橋尾はるえ名義普通預金、同平井房子名義普通預金、同入江敏子名義普通預金の入金と、渡辺敬治名義の正規の張簿に計上されている納税準備預金とは、それぞれ一定額の入金が同日になされている。また、平井房子名義預金で使用している印鑑は、福徳相互銀行境川支店の渡辺春枝名義普通預金および大阪第一信用金庫本店の渡辺はるゑ名義定期積金で使用している印鑑と同一である。

福徳相互銀行境川支店の渡辺春枝名義普通預金は、殆んど毎日、一定額の入金がなされている。富士銀行九条支店の安部春夫名義普通預金は、福徳相互銀行和田はるゑ名義普通預金で入金されていた一万一、〇〇〇円、或いはその一万一、〇〇〇円の倍数の入金がなされないようになつてから発生したものであり、その入金方法も和田はるゑ名義預金のときと同様一万一、〇〇〇円か、一万一、〇〇〇円の倍数の入金方法であつた。また、その使用印鑑は、大阪第一信用金庫の安部春夫名義普通預金および同安部枝名義積立金で使用していた印鑑と同一であつた。

富士銀行九条支店渡辺敬治名義積立預金も、一定額の積立預金であり、前記預金と同様の事情にあると認められるものであつた。

(2) 食堂部除外収入金(番号18)

食堂部に属するスタンド「ヒヨツトコ」の収入除外金額は、大阪第一信用金庫本店の積立預金(月掛)の預金額により計算した。その明細は、別表第五の一であり、その計算内容は別表第五の二および三である。

被告が、右預金の積立額を食堂部の収入除外金とした理由は次のとおりである。

(ア) 右預金の設定、解約は、原告会社の代表取締役橋尾はるゑ(本件処分当時会計担当取締役)が直接担当していた。

(イ) 右預金の預け入れ日は、月末か月始めであり、食堂部従業員から本社への収益持参日と符合している(一か月の売上金額から仕入金額および費用を差し引いた差益金を本社に持参する日を収益持参日と原告会社は称していた)。

(3) 不動産部除外収入金(番号19)

不動産部に属する第一日建荘、第二日建荘、第三日建荘および第一日建荘の隣りの貸家三戸(借家人、稲垣、袋本、稲垣)の収入金の除外額の計算は、別表第六の一、二、三のとおりである。この計算根基については、入居者から実情聴取をすることによつて計算した。

(収入金額の計算)

(ア) 第八事業年度

第一日建荘収入金額 六三万六、〇〇〇円

部屋数は、一階が五室、二階が一二室、別棟二室、合計一九室である。内二階の四室が常に空室であるとして、次のとおり計算した。

なお、一か月の家賃四、〇〇〇円の部屋は、一階の五室、二階の一室、別棟の二室であり、三、〇〇〇円の部屋は、二階の七室である。

4,000(円)×8(室)=32,000(円)

3,000(円)×7(室)=21,000(円)

53,000(円)×12(月)=636,000(円)

第二日建荘収入金額 四八万円

部屋数は一〇室であり、空室はないものとして計算をした。なお、全室一か月の家賃は四、〇〇〇円である。

稲垣外二名の貸家収入金額 六万四、八〇〇円

三軒の貸家賃料は、各々一か月一、八〇〇円である。

(イ) 第九事業年度

第一日建荘収入金額 六六万三、〇〇〇円

第八事業年度と同様にして次のとおり計算した。

なお四一年七月分から、家賃四、〇〇〇円の部屋のうち、一室が六、〇〇〇円に、その他の一四室は一律四、〇〇〇円に家賃の改定があつた。

4,000(円)×8(室)=32,000(円)

3,000(円)×7(室)=21,000(円)

53,000(円)×9(月)=477,000(円)

4,000(円)×14(室)=56,000(円)

6,000(円)×1(室)=6,000(円)

62,000(円)×3(月)=186,000(円)

477,000(円)+186,000(円)=663,000(円)

第二日建荘収入金額 五一万円

第八事業年度と同様にして計算した。

なお、四一年七月分から、家賃四、〇〇〇円が五、〇〇〇円に値上りした。

第三日建荘の収入金額 四三万一、〇〇〇円

部屋数は一階三室、二階三室で合計六室である。

家賃は各室とも一か月一万三、〇〇〇円である。

保証金は各室四〇万円であり、借主より賃貸借契約を解約した場合は、その保証金の二割に相当する金額が貸主(原告会社)の収入となる。

その計算方法は次のとおりである。

13,000円×2室×10月(入居期間)=260,000円

13,000円×1室×7月(〃)=91,000円

260,000円+91,000円+80,000円(保証金の2割)=431,000円

稲垣外二名の貸家収入金額 七万三、八〇〇円

第八事業年度と同様にして計算した。なお、四一年七月から、家賃一、八〇〇円が二、八〇〇円に値上りした。

(収入金額計算の根拠となつた各建物の入居状況)

被告が原告会社の不動産部における収入金額の計算根基とした第一日建荘、第二日建荘の入居状況は別表第六の二であり、第三日建荘および稲垣外二名の入居状況は別表第六の三である。

(4) 収入利息(番号20)

右(1)および(2)から生じた収入利息である。内訳は別表第七の一ないし四のとおりである。

(5) 損金算入府市民税(番号21)

原告会社が、法人税法の規定上損金に算入できない府市民税を損金に算入していたものである。

(6) 繰越欠損金(番号22)

原告会社は確定申告において繰越欠損金を損金に算入していたが、原告会社は前述のとおり、第六事業年度以降にかかる青色申告書提出の承認を取り消され、法人税法九条五項の規定を適用することができないので、その額が、申告所得金額に加算されることになる。

(減算した額)

(1) 未納事業税(番号23)

原告会社は前事業年度分の未納事業税を損金に計上していなかつたので、被告において、原告会社に有利にそれ等の金額を損金に計上した。

(2) 価格変動準備金(番号24)

原告会社が第七事業年度の確定申告の際に、価格変動準備金の繰入をしていないにもかかわらず、価格変動準備金の繰入超過額として所得金額に加算していたため、減算したものである。

(3) 償却認容額(番号25)

原告会社が第六事業年度において、減価償却超過額として益金に加算した金額を、第七事業年度において当該資産の償却範囲内で損金に計算できるのにその計算をしていなかつたので、被告は原告会社に有利にその額を損金に計上して、所得金額を計算した。

(4) 入場税(番号26)

これは、訴外西税務署長が原告会社に対してした更正処分(ただし、裁決で一部取り消された後のもの)による入場税の金額である(別表第八)。原告会社はこれを損金に計上していなかつたので、被告において原告会社に有利にその額を損金に計上して所得金額を計算した。

(三)  重加算税の賦課決定

前記(二)において述べた事実は法人税額計算となるべき事実を隠ぺいしたものであるから、国税通則法六八条一項の規定により、重加算税を賦課決定した。

(四)  更正の理由附記について

(1) 原告会社は、かつて青色申告承認を受けていたが、被告は昭和四三年二月二九日付で第六事業年度以降の青色申告承認処分を取り消した。

(2) 右処分には何の無効事由がないから、原告会社は、本件各係争事業年度の法人税の申告については、いわゆる白色申告者に当る。

ところで、いわゆる白色申告者の場合には、更正通知書に更正理由の記載を要求されていない。したがつて、更正通知書に更正の理由が記載されていなくても、何らの違法はない。

四  被告の主張に対する認否

(一)  原告会社に申告どおりの所得があつたことは認める。

(二)  加算額について

(1) 興業部除外収入金について

原告会社に申告以上の興業部収入があつたことは否認する。

別表第四の一番号34の預金口座への入金は、原告会社の興業収入からされたことは認める。しかし、この収入は適正に申告済みである。

別表第四の一番号38の預金は訴外渡辺敬治に、同表番号34、38以外の預金は訴外橋尾はるゑにそれぞれ属するものでありこれらの預金口座への入金は原告会社の興業収入からされたものではない。

同表番号35、36の預金口座への入金は、当時訴外平井房子、同入江敏子らが従事していた九条OS劇場内の売店の売上収入からされたものである。

橋尾はるゑは、別表第九のとおり、福徳相互銀行より金銭を借り受け、その一部を自ら使用し、その余を他に貸し付けた。他への貸付金の返済は、別表第四の一記載の福徳相互銀行の口座に入金され、そのうちより橋尾はるゑは同銀行に対する借入金を弁済した。

(2) 食堂部除外収入金について

原告会社に申告以上の食堂部収入があつたことは否認する。

被告主張の別表第五の一の預金のうち、澤恵三、渡辺正、及び渡辺敬治名義のものは、各名義人に属するものであり、その余は橋尾はるゑに属するものである。

(3) 不動産部除外収入金について

第一、第二、及び第三日建荘並びに貸家三戸の部屋数は認めるが、その余は不知。

(4) 収入利息について

被告主張の利息が主張の預金の利息であることは認める。

(三) 減算額について

被告の主張(二)の減算した額の(1)ないし(3)は認める。

被告の主張(二)の減算した額の(4)の入場税額は争う。西税務署長が被告の主張のとおりの更正処分(裁決で一部取り消された後のもの)をしたことは認めるが、右処分は違法である。

(四) 重加算税決定についての被告の主張(三)は争う。

(五) 更正の理由附記について

被告の主張(四)(1)の事実は認めるが、(四)(2)は争う。青色申告承認取消処分はその要件を欠き無効である。

第三証拠

本件記録中の書証、証人等目録に記載のとおりであるから、ここに引用する。

理由

一  課税処分の経緯

原告会社の事業、これに対する課税処分の経緯など請求原因(一)の事実は、当事者間に争いがない。

二  原告会社の所得

(一)  書証の成立について

争いのある事実の認定に先立ち、書証の成立についてまとめて判断しておく。

乙第一号証、乙第九号証、乙第一〇号証、乙第二二号証、及び乙第三三号証は、証人松岡大蔵の証言(第一回)により、乙第五号証、乙第二八号証及び乙第三四号証は、証人神高秀男の証言により、乙第八号証は、証人池永治夫の証言により、乙第二九号証及び乙第三二号証は、証人島田博行の証言により、乙第四三号証の一ないし八は、証人松岡大蔵の証言(第二回)により、乙第四八号証の二ないし二二は、原本の存在及び成立に争いがない乙第五〇、第五一号証により、乙第四九号証は、原本の存在及び成立に争いがない乙第五二号証により、いずれも成立を認めることができる。

その余の乙号各証のうち、原本が提出されたものは成立に争いがなく、写が提出されたものは原本の存在及び成立に争いがない。

甲号証はいずれも成立に争いがない。

(二)  興業部収入について

(1)  甲第一ないし第五号証の各一ないし四、甲第六号証、甲第七号証の一、二、乙第一、二号証、乙第三号証の一、二、乙第四、五号証、乙第六号証の一、二、乙第七号証の一ないし四、乙第八ないし第一二号証、乙第一四号証の一ないし四、乙第一五号証、乙第二八号証、乙第三〇号証、乙第三三ないし第三九号証、乙第四八号証の一ないし二二、乙第四九ないし第五二号証、証人横井正治(第一、二回の各一部)、同川上一、同松岡大蔵(第一、二回)、同神高秀男、同阿守正司、同島田博行、及び同池永治夫の各証言によると、次の事実を認めることができ、この認定に反する証人横井正治の証言(第一、二回)の一部や、同川上一、同高森十三夫、同田中信一、同後藤勝治、同澤恵三、同嶋寛一の各証言、原告会社代表者の本人尋問の結果は採用しないし、ほかにこの認定の妨げになる証拠はない。

(ア) 原告会社は、昭和四一年までは、大阪市西区九条通二丁目九ノ三一で九条OS劇場を経営していた。その当時、訴外渡辺敬治は代表取締役、訴外橋尾はるゑは経理担当の取締役、訴外伝江隆重は右劇場支配人、訴外横井正治は右劇場の金銭取扱者であつた。

(イ) 九条OS劇場における入場料は全て現金で収入された。横井正治は毎日の入場料収入より従業員の食費を差引いたものを、渡辺敬治又は橋尾はるゑに渡し、同人らの指示によつてその一部を金融機関に預金するなどしていた。

(ウ) その当時、原告会社の九条OS劇場の入場料収入より預金をする口座としては、福徳相互銀行境川支店に原告会社名義の普通預金口座(番号一三一五七)、三和銀行九条支店に渡辺敬治名義の納税準備預金口座(番号一〇〇二三)があり、この二つの銀行と取引がある旨は確定申告書の添付書類にも記載されていた。

(エ) 原告会社は、別表第四の一ないし五記載の口座に九条OS劇場の入場料収入のうちより右各表記載の額を預金した。

(オ) 右(エ)の預金口座への入金の殆んどは、橋尾はるゑの指示により、九条OS劇場において、原告会社の金銭取扱者である横井正治より、各金融機関の外務員に手渡してなされた。この預金は原告会社の右(ウ)の口座への預金と同時にされたものが多かつた。

(カ) 原告会社は、前記のころ、九条OS劇場の入場客より、半券を切り取らないままで入場券を受け取り、その入場券を再度他の入場客に売る方法により、入場税を免れ、入場料収入を隠ぺいしていた。

(キ) したがつて、九条OS劇場において、西税務署員が立会つて調査した期間の有料入場客の数はこのような立会のなかつた期間について原告会社が申告した有料入場客の数に比して相当数大きかつた。また、西税務署員が同劇場を訪れた際同劇場内に入場中の客の数に比して、同劇場入口で回収した半券切取り済み有料入場券の数が五、六割に過ぎないことがあつた。

(ク) 原告会社は、右(エ)のとおり預金された金額については入場料収入がなかつたものとしてこれを除外したうえ第六ないし第九事業年度の確定申告をした。

(2)  原告会社は、別表第四の一番号34の預金口座への入金収入は適正に申告済みであると主張し、この主張にそう証拠として、証人横井正治の証言(第二回)及び原告会社代表者橋尾はるゑの本人尋問の結果がある。

しかしながら、右主張にそう右各供述は、前記認定の事実と対比して採用できないばかりか、次の理由によつても採用できないし、そのほかに右主張事実を認めることのできる証拠はない。

(ア) 甲第一ないし第五号証の各一ないし四、乙第四号証、乙第七号証の一、二、乙第八号証、乙第四七号証の一ないし四によると、原告会社が提出した本件事業年度の法人税確定申告書に添付した預貯金等の内訳書には五ないし七口の原告会社の預金口座とそれらの現在額が記載されているのに、別表第四の一番号34の普通預金口座は右内訳書に記載されていないこと、申告書に添付の貸借対照表に記載の預金現金の額は右番号34の預金残高を含まない額であること、第七、八事業年度の法人税確定申告書には各月末の預金残高を記載した表が添付されているが、ここに記載された預金残高は右番号34の預金残高を含まない額であつたこと、以上のことが認められ、この認定を覆すに足りる証拠はない。

このように、原告会社が確定申告において右番号34の預金を原告会社の資産から除外した事実は、右預金口座に入金された興業収入も除外して確定申告における所得を算出したものと推認されるのである。

(イ) 乙第四四号証の一ないし四及び乙第四六号証の一ないし四によると、原告会社は本件処分に対する異議申立、審査請求の理由では、被告主張の預金は全て個人預金であつて原告会社の収入と関係がない旨を主張していたことが認められる。

本件訴訟でも原告会社は当初は右同様の主張をしていた(第五回弁論期日で陳述された昭和四六年七月二四日付準備書面四項参照)が、本件処分後一〇年も経過し本件訴訟も終結に近い昭和五三年八月二九日になつて前記の番号34の預金への入金は原告会社の収入からの入金でありその収入は申告済みであると主張を変更する準備書面を提出したことは当裁判所に顕著である。

しかし、前記のとおり右預金口座への入金は合計約二、五〇〇万円にものぼる巨額であつて、このような多額の金銭の帰属についての認識を誤ることは通常は考えられないところであるから、原告会社の確定申告書記載の所得には右預金口座への入金の収入を含んでいるとの変更後の主張についても疑問を持たざるをえない。

(3)  原告会社は、橋尾はるゑ個人が他に貸付けた金を回収して被告主張の預金口座に入金し、そのうちより福徳相互銀行からの借入金を返済したものであつて、原告会社の興業収入より右口座に入金したものではないと主張し、証人川上一、同高森十三夫、同田中信一、同後藤勝治、同澤恵三、同嶋寛一の各証言、原告会社代表者の本人尋問の結果中には、この主張にそう供述がある。

しかしながら、右主張にそう右各供述は、前記認定の事実と対比して採用できないばかりか、次の理由によつても採用できないし、そのほかに右主張事実を認めることのできる証拠はない。

(ア) 橋尾はるゑが、原告会社主張の貸付けをする自己資金を有していたことについて、原告代表者の本人尋問の結果中には、橋尾はるゑはもと居住していた兵庫県より大阪府へ転住したとき七、八百万円の金を持つて来たとの部分がある。

しかし、乙第三〇号証及び同結果によると、橋尾はるゑが大阪府に転住したのは昭和二四年であり、昭和二〇年より同二四年までの間は兵庫県多紀郡中町で助産婦業を営んでいたことが認められ、他に収入があつたことは本件全証拠によるも認められない。

そうすると、橋尾はるゑが、財産税課税(昭和二二年)、新円切換(昭和二一年)後の間もない昭和二四年の時点で、七、八百万円もの当時としては巨額の金員を有していたとの前記原告会社代表者の本人尋問の結果は到底信用することができない。

そのほかに、橋尾はるゑが自己資金を有していたことが認められる証拠は見当らない。

(イ) 橋尾はるゑが、他に貸付けるための資金を福徳相互銀行より借り入れたことは、本件全証拠によつても認められない。

原告会社主張のような多額の金員を金融機関より借り入れようとすれば、相応な物的担保が通常は必要であることは当裁判所に顕著である。しかし橋尾はるゑが担保となりうる不動産等を有していたとか、第三者がそのような担保を提供したとかの証拠はないのである(原告会社としては、少なくとも担保に供された不動産の登記簿謄本を提出することは可能な筈である)。

また、原告会社は、借入金返済を証する福徳相互銀行の領収書であるとか、借用証書写などの書類を全く提出しない(原告会社は本件処分の直後に本件処分の理由を知つたことは乙第四四号証の一ないし四によつて認められ、橋尾はるゑは原告会社の取締役であつたことは前認定のとおりであるから、このような書類を提出することは容易な筈である)。

(ウ) 橋尾はるゑが原告会社主張の貸付けの全部をしたかについても疑問がある。

原告会社主張の橋尾はるゑの貸付金について抵当権その他の担保権が設定されたことを認めることのできる証拠はない。

甲第八号証によると、橋尾はるゑは昭和三二年に五〇万円の敷金返還請求権についてすら抵当権の設定を田中信一に要求してその設定を受けていることが認められるが、金額二、三百万円、最終弁済期間最長四〇月にも亘る原告会社主張の債権について、親族関係のある債務者に対してはともかくとして、その余の債務者に対しても、担保権の設定をしない特別の事情があつたことが認められない。

また、原告会社は橋尾はるゑの貸付を証する借用証などの書類を全く提出しない。

更に、原告会社主張のような貸付があつたとすれば、橋尾はるゑに相当額の利息の所得があつた筈であつて、橋尾はるゑが無利息又は福徳相互銀行からの借入金利息と同率の利息で貸付けをするような特別の事情があつたことは認められない。ところが、乙第三五、三六号証によると、橋尾はるゑは昭和四〇、四一年分所得税の確定申告において、そのような利息の所得を申告していないことが認められる。

(エ) 被告主張の預金口座の預金より橋尾はるゑの福徳相互銀行への借入金が弁済されたとの原告会社の主張にも疑問がある。

原告会社は福徳相互銀行への借入金は日掛又は月掛で返済したと主張している。しかし、乙第一、二号証によると、福徳相互銀行境川支店の渡辺春枝名義の普通預金口座(番号一二六二六)及び和田はるえ名義の普通預金口座(番号一二九八七)から、日掛預金への振替又は日掛返済とみられる払戻がないこと、右の二つの普通預金口座より月掛預金への振替又は月掛返済といえる可能性のある払戻は、昭和三七年一〇月より昭和四一年九月までの間において、二七回分三〇六万二、〇〇〇円にすぎないことが認められる。したがつてその余の払戻は月掛預金への振替又は月掛返済と関連がないことになる。

(オ) 橋尾はるゑの貸付回収金が月掛又は日掛で被告主張の口座に入金されたとの原告会社の主張にも疑問がある。

乙第一、二号証によると、別表第四の一番号28、29の普通預金口座台帳には、毎日又は毎月、原告会社主張のような金額が、定期的に、入金された旨の記載が見当らない。

(4)  まとめ

以上認定の事実によると、原告会社には、本件事業年度において、確定申告の所得のほかに、被告主張の興業による所得があつたものと推認することができ、この推認を覆すに足りる証拠はない。

(三)  食堂部収入について

(1)  前記(二)に認定の事実、乙第一三号証の一ないし一八、乙第一四号証の四、証人阿守正司、証人浜崎澄昭(一部)の各証言によると、次の事実を認めることができ、この認定に反する証人浜崎澄昭の証言の一部は採用しないし、ほかにこの認定を覆すに足りる証拠はない。

(ア) 原告会社は、昭和三九年一二月より同四二年まで、大阪市南区日本橋筋付近で「ひよつとこ」の屋号で飲食店を経営していた。この店で就業していた従業員は訴外浜崎澄昭と同西山富子であつた。

(イ) 浜崎澄昭は、この店の売上げより材料仕入費などを差し引いたものを、毎月末ごろ大阪市城東区の原告会社事務所に持参していた。

(ウ) 原告会社は、毎月月末又は月始めに、右のとおり持参された売上金のうちより、被告主張の預金口座に主張の額を入金した。

(エ) 右の数口の預金への預入れは、同じ月に預け入れられたものは、右数口の口座へのものも同一の日に、同じ集金人によつて集金された。

(オ) 別表第五の一番号92の預金にあたつて、橋尾はるゑは、大阪第一信用金庫の係員に、職業料亭屋号ひよつとこと申し出て、同金庫の定期積金元帳にその旨記載された。

(カ) 右の別表第五の一番号92の預金と同表番号99の預金とでは、用いられた印鑑が同一である。

(キ) 別表第五の一番号93、94、96、97の預金につき用いられた印鑑は、前記(二)(1)において原告会社のものと認められた別表第四の一番号28の預金につき用いられた印鑑と同一である。

(ク) 別表第五の一番号98の預金につき用いられた印鑑は前記(二)(1)において原告会社のものと認められた別表第四の一番号37の預金につき用いられた印鑑と同一である。

(ケ) 原告会社は、右(ウ)のとおり預金された金額については、「ひよつとこ」での売上収入がなかつたものとして第八、九事業年度の確定申告をした。

(2)  証人浜崎澄昭の証言の中には、「ひよつとこ」での売上金より仕入れ金を差し引くと月約一五万円であり、従業員二名の月給は計約一二万円であつたとの部分がある。

しかし、この証言部分は、次の認定事実と対比して採用できない。

甲第三ないし第五号証の各一ないし四、及び証人浜崎澄昭の証言によると、廃業直前であつてそれ以前と比して飲食客が非常に少なくなつた時期に当る昭和四一年一〇月から同四二年九月の間においてすら、「ひよつとこ」においては売上高より仕入材料高を控除した残りが月約一一万円あつたこと、この期間における売上高は材料仕入高の約二・七倍にあたるところ、「ひよつとこ」における材料仕入高は第八事業年度二六二万六、三〇〇円、第九事業年度一七九万二、五七七円(申告書添付書類記載の額)であつたが、原告会社の確定申告に記載の売上高は第八事業年度四五〇万五、七五九円、第九事業年度二九〇万九、六〇八円であつて、申告の売上高は仕入高と比して少ないことが認められる。

(3)  証人澤恵三の証言の中には、澤恵三は橋尾はるゑの娘と結婚して橋尾はるゑと一時的に同居していたが、家賃を払わねばならないので、毎月三、〇〇〇円か五、〇〇〇円かを第一信用金庫に自分の名前で積立てたとの部分がある。

しかし、この証言部分は、次の事実と対比して採用できない。

別表第五の一番号95の預金は毎月一万六、四〇〇円積立てられているし、また、配偶者の親の家に同居しているときに親に家賃を支払う(又は支払わねばならないと考えるのも通常ではない。

(4)  まとめ

以上認定の事実によると、原告会社には、第八、九事業年度において、確定申告の所得のほかに、被告主張の額の「ひよつとこ」経営による所得があつたものと推認することができる。もつとも、飲食店経営による売上げが増加すれば仕入高も増加する関係にあるが、売上高と仕入高との比率に関する前記(2)に認定の事実によると、右(1)認定の収入をも加えた売上を得るための仕入高は申告書添付書類記載の額で充分であつたと解される。

(四)  不動産収入について

(1)  乙第四三号証の一ないし一〇、及び証人松岡大蔵の証言(第二回)によると、次の事実を認めることができ、この認定を覆すに足りる証拠はない。なお、各不動産の部屋数は当事者間に争いがない。

(ア) 原告会社は、第一日建荘、第二日建荘、第三日建荘の三棟のアパートと貸家三戸を所有し、これらを賃貸して収入を得ていた。

(イ) 右アパートの室数は次の通りである。

第一日建荘 一階五室、二階一二室、別棟二室

第二日建荘 一〇室

第三日建荘 一階三室、二階三室

(ウ) 右アパート、貸家が賃貸されたとき、原告会社が収受していた一室又は一戸当りの月額賃料は次の通りであつた。

第一日建荘 昭和四一年六月まで、二階七室各三、〇〇〇円、その余の室各四、〇〇〇円。同年七月より、一室六、〇〇〇円、その余の室各四、〇〇〇円。

第二日建荘 昭和四一年六月まで各四、〇〇〇円。同年七月より各五、〇〇〇円。

第三日建荘 各一万三、〇〇〇円。

貸家 昭和四一年六月まで各一、八〇〇円。同年七月より各二、八〇〇円。

(エ) 右アパート、貸家の入居状況は別表第六の二、三に記載のとおりであつた。

(オ) 原告会社は、第三日建荘の一室を、昭和四〇年一二月に、保証金四〇万円、家賃月一万三、〇〇〇円、保証金は解約時にその八割に限り返還の約で賃貸し、保証金を受領した。この契約は昭和四一年九月に解約されて、賃借人は退去した。

(2)  右認定の事実によると、原告会社には右アパート、貸家の家賃、及び保証金のうち返還を要しない分として、第八事業年度に一一八万〇、八〇〇円、第九事業年度に一六七万七、八〇〇円の収入があつたことが推認され、この推認を覆すに足りる証拠はない。被告主張の不動産部収入の確定申告額は、甲三、四号証の各一ないし四により認めることができる。

(五)  利息収入について

(1)  被告主張の預金について主張の額の利息が生じたことは当事者間に争いがない。

(2)  前記(二)(三)に認定した事実によると、別表第四の一番号28ないし38、及び別表第五の一番号92ないし99の口座の預金はすべて原告会社に属するものというべきである。したがつて、これと同一の預金である別表第七の一番号120ないし125、129及び130、別表第七の二番号132、136、137及び140、別表第七の三番号142、146ないし148、151、153、及び154、並びに別表第七の四番号156、159、160、163、166ないし168の口座の預金は原告会社に属するものである。

(3)  乙第六号証の一ないし一五、乙第一六ないし第二六号証、乙第二七号証の一、二、証人松岡大蔵(第一回)、同神高秀男及び同阿守正司の各証言によると、別表第七の一番号126、127、及び128、別表第七の二番号133ないし135、別表第七の三番号143、144、並びに別表第七の四番号157の各月掛預金口座には、原告会社の別表第四の一番号28、29の預金口座より掛金の一部が振替入金されていること、いずれも定期預金である別表第七の三番号145の預金は別表第七の二番号135の預金口座から、別表第七の三番号152の預金は別表第四の一番号38の預金口座から、別表第七の四番号164の預金は別表第四の一番号37の預金口座から、別表第七の四番号165の預金は別表第七の三番号152の預金口座から、それぞれの払戻金を振り替えて預金されたこと、別表第七の二番号138及び139、別表第七の三番号149及び150、並びに別表第七の四番号161及び162の月掛預金口座には、別表第四の一番号34の預金口座より掛金の一部が振替又は払戻して入金されていることが認められ、この認定を覆すに足りる証拠はない。

右事実と前記(2)の認定事実とによると、右のとおり入金された口座の預金は原告会社に属するものと推認することができ、この認定を覆すに足る証拠はない。

(4)  まとめ

被告主張の別表第七の一ないし四記載の預金はいずれも原告会社に属するから、その預金の利息も原告会社に属することになり、原告会社には本件事業年度に被告主張の利息収入があつたことになる。

(六)  府市民税及び繰越欠損金について

原告会社が本件事業年度の確定申告において、被告主張のとおり府市民税、及び繰越欠損金を損金に算入していたことは、甲第一ないし四号証の各一ないし四について明らかである。

原告会社はかつて青色申告承認を受けていたが、昭和四三年二月二九日に第六事業年度分以降につき青色申告承認を取り消す処分を受けたことは当事者間に争いがなく、右取消処分を当然無効とする事由は見当らない。

そうすると、右の府市民税及び繰越欠損金を損金に算入することができないことは、法人税法(昭和二二年法律第二八号)九条一、二項、五項、及び法人税法(昭和四〇年法律第三四号)三八条二項三号によつて明らかである。

(七)  減算額について

被告主張の減算額のうち入場税額を除く部分は当事者間に争いがない。

入場税額については、原告会社は被告主張の額よりも少ない旨を主張しているがここでは法人税法上原告会社に有利となる被告主張の額を採用しておくこととする。

(八)  所得金額について

以上の認定判断によると、原告会社の本件事業年度の所得額は被告主張のとおりとなり、本件処分(裁決で一部取り消された後のもの)には所得を過大に認めた違法はない。

三  本件処分の理由附記

(一)  本件処分の通知書に処分の理由が記載されていなかつたことは当事者間に争いがない。しかし、原告会社はかつて青色申告承認を受けていたが、昭和四三年二月二九日付で第六事業年度以降の青色申告承認を取り消す処分を受けたことも当事者間に争いがない。そうすると、本件処分当時は係争の第六事業年度以降の法人税については、原告会社はいわゆる白色申告者にあたり、これに対する更正処分についてはその理由を記載する必要がないことは、法人税法一三〇条二項の解釈上明白である。

(二)  原告会社は右の青色申告承認取消処分はその要件を欠き、当然無効であると主張するが、その処分要件を欠いていたことを認めるに足りる証拠はない。

(三)  そうすると、本件処分の通知書にその理由を記載しなかつたことには、違法な点はない。

四  重加算税賦課決定処分

前記二認定の事実によると、原告会社は入場客より受け取つた入場券を再度他の入場客に売る方法により入場料収入を隠ぺいし、この収入を原告会社名義ではない他人又は架空人名義の預金口座に預金して、前記の興業部、食堂部及び利息収入を隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき確定申告書を提出したものと推認することができ、この推認を覆すに足りる証拠はない。

しかし、不動産部収入については隠ぺい、仮装があつたとは認められないし、府市民税についてはその性質上法の不知にもとづくものと解されるし、繰越欠損金については、申告当時には青色申告承認を受けていたものであるから、その当時としては仮装隠ぺいに基づき申告したものということはできない。

ところで、所得より減算する金額がある関係上、国税通則法六八条一項かつこ書き、同法施行令二八条一項により控除すべき金額がないこととなるから、原告会社の納付すべき重加算税額は、法人税額(申告税額は〇)の一〇〇分の三〇であり、この範囲でされた被告の重加算税賦課決定処分(裁決により一部取り消された後のもの)は適法である。

五  むすび

以上の次第で、本件処分(裁決で一部取り消された後のもの)は適法であるから、この取消しを求める原告会社の本件請求は失当として棄却を免れない。そこで、行政事件訴訟法七条、民訴法八九条に従い、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 古崎慶長 裁判官 井関正裕 裁判官西尾進は転補のため署名押印することができない。裁判長裁判官 古崎慶長)

別表 第一 課税処分の経緯

〈省略〉

別表 第二 課税処分の内容

〈省略〉

別表 第三 被告主張の所得金額の内訳

〈省略〉

別表 第四の一

興業部除外収入金計算書

〈省略〉

別表 第四の二 第6事業年度

〈省略〉

外書は利息である。

別表 第四の三 第7事業年度

〈省略〉

外書は利息である。

別表 第四の四 第8事業年度

〈省略〉

外書は利息である。

別表 第四の五 第9事業年度

〈省略〉

外書は利息である。

別表 第五の一

食堂部除外収入金計算書

〈省略〉

別表 第五の二

第8事業年度

〈省略〉

別表 第五の三

第9事業年度

〈省略〉

別表 第六の一

不動産部除外収入金計算書

不動産部収入金

〈省略〉

除外額計算

〈省略〉

別表 第六の二 不動産部入居状況表(その一)

〈省略〉

〈省略〉

別表 第六の三 不動産部入居状況表(その二)

〈省略〉

〈省略〉

家賃 41年7月より2,800円

42年9月より4,000円

別表 第七の一

収入利息の計算書

第6事業年度

〈省略〉

別表 第七の二

第7事業年度

〈省略〉

別表 第七の三

第8事業年度

〈省略〉

別表 第七の四

第9事業年度

〈省略〉

別表 第八

入場税明細書

〈省略〉

別表 第九 橋尾はるゑの貸付関係等一覧表

〈省略〉

〈省略〉

(注) 貸付欄記載の橋尾はるゑ以外の者は、いずれも銀行に対する信用力がとぼしい為、右橋尾の信用により同人名義で銀行より借入れて貰い、ついで、その資金を橋尾より借り入れて資金の使途欄記載の各人の使途に資金を使用し、橋尾に対しては、日掛又は月掛等によって返済し、橋尾も又右返済に従って銀行に日掛又は月掛等によって預け入れて銀行に対し借入金を返済した。

貸付欄橋尾はるゑ、貸付額欄五、〇〇〇(千円)記載のものは、右橋尾が自らの使途に供する資金を銀行より借り入れ、銀行に対し日掛にて預け入れて返済した。

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